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the full bloom of Cherry Blossoms.
連載「桜坂」で大幅に削ったまま放置されていたヒロインの昔の話、ここでアップします。
ものすごい中途半端だけど・・・・・
義姉上が紫雲寺家を継げなくなって、代わりの子供が探された。
奥方様も健在で、子供が出来る可能性は十分あるけど、もしもの時の保険のために。
その時集められた親戚中の子供達の中で一番霊力があったのが私。
選ばれて、引き離されて。
でも綺麗な着物を貰って、甘いお菓子をくれて、私はそれはそれは幸せな幼少期を過ごした。
剣の練習は辛かったけど、養母上は優しかった。養父上だって。
それなりに大きくなって、宗一が生まれた。
養母上が宗一を身篭った時、養父上は踊り出しそうなほど喜んだ。
私も、弟が出来るのは嬉しかった。
だけど。養父上の一言で。
私は泣いた。与えられた部屋で、ずっと。
「これで、先祖に顔向けできるというものだ。血を違えずに済む。」
そう言った養父上の声を、聞いてしまった。
もっと小さかったら、わからなかったことが。
なまじ大きくなった後だったから、分かってしまった。
私はどんなに頑張っても、よその家の子。
「紫雲寺家の子供」にはなれないんだ。
もう要らない子なんだと・・・・・・・
それでも養父上も養母上も、変わらず優しかったから、私もそ知らぬ顔で家に居続けた。
宗一の誕生を喜び、面倒を見たりも、した。
けれどある日。
養父上は言ったのだ。
「紫雲寺家の次の当主は、繍子にする。」と。
宗一と私の、生まれ持った霊力の差を知った時、そう言った。
一度は切り捨てておきながら、知らぬ顔で手元に置き、今度は必要とする。
養父の身勝手に、私はこれ以上振り回されたくなくて。
それに、宗一を世継ぎにしなかったことで、養母も少し狂ってしまって。
私は、紫雲寺家を飛び出した。
それまでずっと紫にしていた眼を、本当に久し振りに緑に戻して。
父母に泣きついた。
両親は快く迎えてくれて、私は少し心苦しい思いもしたけど、
忙しい店での日々に追われるうちにそんな思いは消えてしまって。
洋とも始めはぎくしゃくしたけどそれもだんだん消えた。
そのうち戒が生まれて、幸せな家に、なった。
この帰ってきた日の事は是非書きたかったんですが、
浮竹さんとまったく関係なくなるのでやめました。
いつか機会があったら書きたいなぁと思ってます。
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