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2025/05/06

せっかくだし・・・・

連載「桜坂」で大幅に削ったまま放置されていたヒロインの昔の話、ここでアップします。
ものすごい中途半端だけど・・・・・
義姉上が紫雲寺家を継げなくなって、代わりの子供が探された。



奥方様も健在で、子供が出来る可能性は十分あるけど、もしもの時の保険のために。





その時集められた親戚中の子供達の中で一番霊力があったのが私。







選ばれて、引き離されて。



でも綺麗な着物を貰って、甘いお菓子をくれて、私はそれはそれは幸せな幼少期を過ごした。



剣の練習は辛かったけど、養母上は優しかった。養父上だって。





それなりに大きくなって、宗一が生まれた。



養母上が宗一を身篭った時、養父上は踊り出しそうなほど喜んだ。



私も、弟が出来るのは嬉しかった。









だけど。養父上の一言で。



私は泣いた。与えられた部屋で、ずっと。







「これで、先祖に顔向けできるというものだ。血を違えずに済む。」



そう言った養父上の声を、聞いてしまった。



もっと小さかったら、わからなかったことが。



なまじ大きくなった後だったから、分かってしまった。









私はどんなに頑張っても、よその家の子。



「紫雲寺家の子供」にはなれないんだ。



もう要らない子なんだと・・・・・・・









それでも養父上も養母上も、変わらず優しかったから、私もそ知らぬ顔で家に居続けた。



宗一の誕生を喜び、面倒を見たりも、した。





けれどある日。





養父上は言ったのだ。





「紫雲寺家の次の当主は、繍子にする。」と。





宗一と私の、生まれ持った霊力の差を知った時、そう言った。







一度は切り捨てておきながら、知らぬ顔で手元に置き、今度は必要とする。







養父の身勝手に、私はこれ以上振り回されたくなくて。



それに、宗一を世継ぎにしなかったことで、養母も少し狂ってしまって。











私は、紫雲寺家を飛び出した。





それまでずっと紫にしていた眼を、本当に久し振りに緑に戻して。







父母に泣きついた。





両親は快く迎えてくれて、私は少し心苦しい思いもしたけど、



忙しい店での日々に追われるうちにそんな思いは消えてしまって。





洋とも始めはぎくしゃくしたけどそれもだんだん消えた。



そのうち戒が生まれて、幸せな家に、なった。











この帰ってきた日の事は是非書きたかったんですが、
浮竹さんとまったく関係なくなるのでやめました。
いつか機会があったら書きたいなぁと思ってます。

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2007/03/09 Short Story Trackback() Comment(0)

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