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the full bloom of Cherry Blossoms.
吸血鬼設定のヒロインとか考えてしまうあたり、トリブラの読みすぎですね。
短編にと思って考えたんですが、暗くなった上に仕上がりが微妙だったので(誰夢かわからんし)、小ネタ入り。
暗いです。
Rote Freude und transparenter Riß
[赤い喜びと透明な涙]
ふと目を覚ました。
とある場所で寝かされていた私の手足には、頑丈な鎖。
鎖は太い柱に繋がれていて、とてもじゃないけど切れそうにない。
かすかに見える外は、真っ暗。
どうやら半日ぐらい意識をなくしていたらしい。
・・・・・昼間のことは、自分でも信じがたい失態だった。
現世で人生を全うしたのが三百五十歳の時。
尸魂界に来て更に六十年の時を重ね、ふと思い立って霊術院に入り、死神になって齢を重ねること既に六百年。
入隊当初から十三番隊に勤め、隊内でも特に問題なく過ごしてきた。
官位もトントン拍子に上がって、今や五席の身だ。
誰にも、知られてはいなかった。
唯一の例外、親友である松本乱菊を除く十三隊中のどの隊員にも。
・・・・私が、吸血鬼だということを。
そして今日、平穏に日々を送るために隠してきた事実が、最悪の形で露見してしまった。
任務達成の為、やむを得ず真の力を解放した。
虚の血は正直言って不味くて飲めたもんじゃない。
だから私に流れる特別の血・・・強燃性の血で、内側から焼き払った。
だけど予想外に疲弊して、ひどい虚血状態に陥ってしまって。
それを心配してくれた隊長の・・・・
浮竹隊長の首筋に、牙を立ててしまったのだ。
報告の後、すぐに・・・・瞬歩でも高速移動でも何でも使って、すぐに自室に引きこもるべきだったのに。
一瞬気を緩めた隙に、
吸血の本能が、動いた。
吸った量は大したものじゃない。
だけどそこにいたのは隊長と私だけじゃなかったから、当然大騒ぎになって。
・・・気付いたときにはここでこうして繋がれていて・・・・・
「お馬鹿。」
「ごめん・・・乱菊。」
「被害は大きくなかったけど・・・」
「うん・・・・無事に済むとは、思ってない。
それでも仕方ないんだ。吸血は本能・・・・
理性で制御するには、重すぎる本能だから。」
普通にしている限り、血を吸わずに生きることも、不可能じゃない。
だけど・・・・・・・・
「どんなにおぞましい事だってわかってても、この牙を突き立てる感覚も、血を吸うことも、私たちにとって、何にもかえがたい喜びだから・・・・・」
もう戻ることの叶わない日々と、科せられた原罪の重さを想って、
私の目からついに透明な涙が一筋零れた。
-Ende-
2006/02/06 Short Story Trackback() Comment(0)
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